第3章:生命保険に関する法律
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 第3部では生命保険に関わる法律とコンプライアンについて理解を進めます。法律と聞いて尻込みする必要はありません。体系立てて読み進めれば5分間の読み流しでももあれば一読で理解できます。

生命保険募集人の実務において最も重要なことはコンプライアンスです。コンプライアンスとは一般的に『法令等の遵守』と訳されており、多くの企業では法令や社内ルールだけでなく社会規範や企業倫理を守るということも含めて用いられています。

ただコンプライアンスを理解することは何も困難なことではなく、一般社会通念上守らなければならないルールをあなた自身が理解できれば勉強あえて深める必要はありません。

生命保険募集人が押さえるべき法律は全部で7つです。生命保険募集人を直接規制・監督のあり方を規定する『保険業法』『消費者契約法』『金融商品販売法』『金融商品取引法』『個人情報保護法』『犯罪収益移転防止法』等があり、さらに契約者のルールを規定する『保険法』の7つです。これらについて試験に出る範囲を押さえた上で解説していきます。

法律分野の解説はテキストでは建前上、十分なスペースを用いて成立の背景や根拠解説しなければならない事情があるのでしょうが、試験においては各法律ともに1つか2つのポイントをイメージとして抑えるだけで十分です。それでは保険業法から見ていきましょう!

①保険業法

保険業法の目的は生命保険募集人が守るべきルールを定め契約者等の保護を図るのが目的です。生命保険募集人は内閣総理大臣に登録申請します。この際A・B両社の二重登録や原則2社以上の保険募集(乗合募集)を行うことはできません。これはいわば浅い知識で沢山の会社の商品を取扱わせないという契約者保護の観点からです。

保険募集に関する禁止行為
ここは試験対策として最も重要な部分になってきます。決して難しい内容ではないので熟読して一度で理解しましょう。

①虚偽の説明
保険募集の際に事実と異なることを告げる行為です。詳しく説明するまでもなく当然のことですよね。

②不完全な説明
保険募集の際に契約に関する重要な事項の説明を省略したり、都合の良い部分のみを説明することです。これも当然NGです。

③告知義務違反を進める行為
ア)虚偽のことを告げるように勧める行為。例えば職業の詐称をすすめることです。
イ)事実を告げるのを妨げたり事実を告げないように勧める行為。例えば過去の病歴を医師に話さないようにすすめることです。

④契約の不当な乗り換え行為
契約者または被保険者に対して不利益となるべき事実を告げずに既契約を解約させた上で新規の申込みをさせる行為です。ちなみに契約を乗り換える時には、不利益になる事実を契約のしおりなどで十分に説明しお客様に納得していただいたことを確認しなくてはいけません。

⑤特別の利益の提供
保険を募集するのに保険料の割引・割戻しや金品その他の利益を提供するような行為です。

⑥威迫・業務上の地位の不当利用
契約者または被保険者をおどしたり、職務上の上下関係などを不当に利用して保険契約申込みさせたりする行為です

⑦誤解させる恐れがある表示説明
お客様に誤解させる恐れがある表示を説明する行為です。例えば、同じ種類の保険ではないのにあたかも同じ保険のようにに比較して見せたり、配当金や保険金など受取りが確実であると誤解させるような説明をすること。また保険会社の信用能力を客観的事実に基づかない資料や一部の数値のみを使って説明すること。他の保険会社や保険商品を誹謗中傷することがあります。

これら禁止行為の違反には厳しい罰則があります。行政処分や司法処分の他にも社内規定によっても処分されることがあります。
以上がメインとなる保険業法の説明です。

いかがですか?極めて常識的な内容だと理解できると思います。それでは続いて関連する法律の解説を行っていきます。

②消費者契約法

近年、消費者保護の観点から耳にする機会も多い法律です。法律の目的を簡潔にいうと、事業者が事実と違うことを言ったり、消費者に不利な事実を告げないなど、不適切な勧誘方法によって消費者が誤認(勘違い)または困惑して(断りづらくて)締結した契約は取り消すことができるというものです。これは消費者と事業者の間には知識の質や量に圧倒的な差があるからです

取り消しができるのは、誤認に気が付いたときや困惑の状況から解放された時から1年以内で、契約締結からは5年以内つまり『あッ!』と勘違いにに気が付いて、その日中に行動を起こしても、契約から5年以上経っていれば取り消しはできません。(数字は覚えて下さい)

取り消した場合、消費者が不利になる条項については、その全部または一部を無効とすることできます。そうすることで消費者の利益を図るのが消費者契約法です。プロと素人では弱者である素人(消費者)が守られると理解してください。

③金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)

金融商品を買う時にはリスクが伴います。リスクのある商品を買う時は、消費者も慎重に見極める責任があります。俗に言う『自己責任』です。ただし、ここでも弱者である素人を保護しなくてはなりません。そのためリスクのある金融商品を売る際は事業者に重要事項の説明を義務づける他、消費者の知識や経験に合わせて説明しなければならないと定めています。保険も長期間にわたるリスクを伴う金融商品ですからこの適用を受けます

重要事項を説明しないで消費者に損害を与えた場合は、事業者が損害賠償責任を負います。ここでも弱者である消費者は保護されるのです。

④金融商品取引法

ひとつ上の金融商品販売法とは『販売』と『取引』の記載が違うだけなので混乱しやすいですが、販売より1ランク上の法律と理解下さい。『取引』の方が販売より堅苦しいですよね?

これは規制緩和により、投資性の強い金融商品が販売できるようになったことをきっかけに、保険業法や金融商品販売法にバラバラに記載されていた注意事項を消費者保護の観点からまとめた法律と言えます。

変額保険などの金融情勢の変動によってお客様に損失の与える恐れのある『特定保険契約』の募集にあたっては、そのリスクの説明を契約締結前交付書面によってあらかじめ交付すること、という部分さえ理解していれば十分です。

⑤個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)

個人情報の漏洩などでニュースなどでも頻繁に聞く法律です。これは事業者が個人情報を取扱うルールを定めた法律です。事業者には『個人情報の取得・利用時の義務』・『個人情報を適切・安全に管理する義務』・『本人からの求めに対応する義務』が課されています。

試験対策の要点は、保険事業者はお客さまに迷惑を掛けることなく、信用を損なわず信頼に応えるために個人情報は厳正な管理・取扱いをしなければならないということです。

⑥犯罪による収益移転の防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)

これは金融機関が犯罪に荷担しないようマネー・ローンダリングに利用されるのを防ぐ法律です。犯罪関係者からの契約を防ぐため契約者の本人確認の徹底をする必要があります。契約者が個人なら免許証や年金手帳、パスポートなど公的証明書を通して、法人なら登記簿謄本や印鑑証明書を提示を願い、法人の名所と本店の確認の他、取引担当者個人の本人確認も免許証やパスポートで行う必要があります。
法人の場合は、担当者個人の確認も必要というのがポイント

⑦保険法

いよいよ最後は保険法です。一番はじめの保険業法とは『業』の字があるかないかの違いです。保険法とは、従来、商取引全般を規定していた商法から保険に関する部分を抜き出しただけです。つまりそれほど大したことは書いていません。ポイントは3点。

①商法では規定していなかった第三分野の保険契約に関する規定が新設された。
②告知の方法が、聞かれていないことも気を回して答えていた従来の方法から、保険会社が質問したことだけ答えれば良くなった。(質疑応答義務)
③この法律は各種共済も適応対象となる。

この3点だけで保険法の試験対策は十分です。

生命保険に関する法律については以上です。

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