第11章 生命保険と税

【2023年版】60分完結「生命保険一般課程試験」直前対策

第11章は生命保険と税について整理します。

”生命保険と税”を語る時、保険料と保険金を分けてそれぞれに考えなくてはいけません。
特に保険料の税法上の取り扱いは複雑かつ難解で、おまけに頻繁に制度変更があります。
そのことを心に留めて学習しましょう。

保険料の税法上の取り扱い

保険料と税金

生命保険は支払い保険料に応じて、一定の額がその年の契約者の所得から控除(差し引かれる)されます。
結果として、課税所得が目減りする分だけ所得税住民税軽減されます。

生命保険料控除には一般の生命保険料控除と個人年金保険料に係る控除、そして介護医療保険料控除の3種類があります。

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この部分は一度テキストをしっかりと読み込んで見ることをおすすめします。

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生命保険料控除の対象となる契約

対象となる契約は受取人が契約者本人またはその配偶者もしくはその他の親族となっている契約です。また一定の要件を満たす個人年金保険の保険料については一般の生命保険料とは別枠で控除の対象となります。ただし財形貯蓄制度に利用される保険保険期間が5年未満の貯蓄保険等は対象から除かれます。

生命保険料控除の対象となる保険料

その年の1月1日から12月31日までに払い込まれた保険料から配当を差し引いた金額が対象となります。
数式で表すと【保険料-配当金=正味払込保険料】となり、この正味払込保険料が控除の対象になります。

なお約款の取り決めにより配当金で保険金を買い増しする場合や、配当金の支払い方法が積立で途中引き出しができない場合は払込保険料がそのまま対象となります。

控除される金額

所得税と住民税では控除の金額が異なります。
所得税・・・正味払込保険料10万円までが対象となり実際の所得から控除される金額はそれぞれ最高4万円(合計で最高12万円)となります。
住民税・・・年間正味払込保険料の7万円までが対象となり実際に控除される金額はそれぞれ最高2万8千円(合計で最高7万円)となります。

所得税は4万円×3種類=12万円の控除があるのに対し、住民税は2万8千円×3種類=8万4千円ではなく7万円である点に注意して下さい。 正味払込保険料に対応する控除額はテキストの一覧表で確認して下さい。

難しい分野ですが覚えると一生離れることのない知識になります

保険金・給付金の税法上の取り扱い

保険金を受け取った場合、誰が保険料負担し、誰が保険金を受け取ったか、また被保険者は誰であったかによって所得税・相続税・贈与税のうちのいずれかの課税対象となります。

テキストの一覧表(一度見ておくことをおすすめします。)をモデルケースに置き換えて単純化してみます。

保険金と課税関係(一時金受け取りの場合)

ケース1:相続税の課税対象となる場合

夫が自分に万が一の時があった時を考えて自分で自分に掛けていた生命保険。
夫が死亡した保険金の受取人相続人である妻がだった場合、妻が負担する税金は相続税になります。
なぜなら妻は法定相続人だからです。
この税務上の取扱いには、なんの不思議もないと思います。

さて、もし同じ保険の受取人が妻ではなく愛人だった場合に負担する税金は”なに税”だと思いますか?
愛人は法定相続人ではありませんが、死亡保険金の受取人なので負担する税金は妻と同じく相続税となります。

では妻と愛人の扱いが同じなのかと言えば、そうではありません。
負担する税金は同じく相続税であっても妻は法定相続人ですから保険金非課税の取扱いがありますが、愛人は法定相続人ではないので非課税の取り扱いがありません

契約者と被保険者が同一人の保険契約で死亡保険が支払われた場合、その保険金は相続税の課税対象です。
保険金受取人が相続人の場合は(500万円×法定相続人の数)までの金額が非課税となります。
なお相続人以外の人が受取る場合も相続税の対象となりますが、非課税の取り扱いを受けることができません。前述の愛人の例です。

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愛人が払う税金も相続税ですが、法定相続人ではないから妻と違い非課税にはならず、必ず納税義務が生じるってとこがポイントです。

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ケース2:所得税の課税対象となる場合

次に妻の万一に備えて夫の給料から妻に掛けていた生命保険について考えていきます。
妻が死亡して夫が死亡保険金を受け取った場合、保険金は夫の一時所得として所得税の課税対象になります。

これはつまり、税法上から考えると妻の死によって夫はこれまで自身が負担した掛け金の累計より保険金という大きな所得を手にしたという解釈です。

契約者と保険金受取人が同一の保険契約は満期保険金・死亡保険金いずれも一時所得となり所得税の課税対象となります。
一時所得の金額は次の数式によって求められます。
一時所得=(保険金-賞味払い込み保険料)-特別控除(50万円限度)
※なお、課税対象となるのは上記の数式で計算された一時所得金額の2分の1です。

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お金が夫から出て増額されて夫に戻って来ているので所得という考えです。株式投資の利益なんかと同じ考え方です。

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ケース3:贈与税の課税対象となる場合

夫の給料から妻に生命保険を掛けていて、妻が死亡した保険金を子が受け取った場合、これは夫から子への贈与となり贈与税の課税対象となります。

お金の出所と受取人が違う(夫≠子)と贈与。お金の出所と受取人が同じ(夫=夫)なら所得です。

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死亡保険金の考えは上記の通りですが、満期保険金についても同様です。契約者=受取人の場合は所得税、契約者=受取人でない場合は贈与税となります。

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生前自分の財産を無償で他人に与えることを贈与といいます。
したがって契約者の生存中に契約者以外の人が保険金を受け取った場合は贈与税の課税対象となります。
贈与税の課税対象となる金額は、以下の数式によって求められます。
課税対象となる金額=保険金-基礎控除(110万円)
※つまり110万円までの贈与は贈与税がかからないことになります。

■非課税となる保険金給付金

高度障害保険金・障害給付金・入院給付金等は、その支払いを受けた者が身体に障害を受けた本人又はその配偶者や直系血族あるいは生計を同一にするその他の親族であるときは非課税となります。

このような給付の場合、入院の長期化により経済的負担が増す中で課税するのは不適当という考えからです。

★ワンポイントアドバイス

保険と税は必ず1問出題されますが、学ぶべき知識量と配点のバランスが取れているとは言い難いです。
特に「保険料と税法上の取り扱い」に関しては、得意不得意が分かれる分野です。
スムーズに頭に入らない場合は、この章は割り切って捨てたとしても試験に対する影響は軽微です。

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実は私はこの分野が苦手で、試験でもバッサリ捨ててしまいました。
でも苦手な分野を潔く諦めることも限られた時間の有効活用という点で試験対策には必要不可欠なことなんです。

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心の健康を重視して、次の学習に進みましょう。

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