第12章 相続に関する法律

【2023年版】60分完結「生命保険一般課程試験」直前対策

学習の最後の章は相続に関する法律についてです。

この章の内容は世間一般で語られる相続についての知識があれば十分に理解できます。
いくつか覚えておくべき専門用語が出てきますので、赤字太字の部分をしっかり読んで覚えるようにして下さい。

生命保険募集人として知っておきたい相続の知識

相続、遺言に関する知識は顧客の信頼に繋がります

相続とは

死亡した人(被相続人)の財産上の一切の権利義務を他の人が引き継ぐことを相続といいます。
被相続人は原則として遺留分を犯さない限り遺言で相続財産を自由に処分することができます。

遺留分とは一定の相続人に対して遺言の内容にかかわらず最低限相続できる割合。
例えば子供が2人いた場合、遺言を持ってしても正当な権利を有する1人を排除して、残る1人に全て相続させることはできません。

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遺留分は正当な相続人の権利を守るために重要です。
これがないと家族に残さずに愛人に全財産を相続させたりといったこともできてしまいます。

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遺言について

繰り返しとなりますが、被相続人(死亡した人)は、その財産について、自身の相続人が有する上記の寄与分を侵さない限り、自分の財産は自由に処分することができます。
その手段として遺言があります。
法定相続の規定に優先して実現させるという強い効力を持っているので法律で厳格な方式が定められています。

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生命保険一般課程試験では遺言の形式などは出題されませんよ。

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相続人と法定相続分について

順 位第1順位第2順位第3順位
相続人配偶者・子配偶者・親 [直系尊属]配偶者・兄弟姉妹
法定相続分配偶者1/2・子1/2配偶者2/3・子1/3配偶者3/4・兄弟姉妹1/4
※法定相続についてはテキストの一覧表にも目を通してくださいね。

・配偶者と子供がいる場合はその両方が相続人となります。
・結婚していても子供がいない場合は親と配偶者が相続人になります。
・子や親、孫などいずれもいない場合は配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。
※配偶者以外の同順位の相続人が2人以上いる場合その相続人の相続分は原則として均等になります。

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ここで言う「配偶者」は婚姻届提出済みの夫婦いずれか逸法を指し、内縁を含みません。内縁の場合は法定相続人になれません。
内縁関係のパートナーに財産を遺すには、生前贈与や遺贈など、生前に備えておく必要があります。

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余談ですが、配偶者以外に相続人がいなくて兄弟姉妹に法定相続分がある場合、遺言をしっかり残しておくことによって配偶者だけに財産を残すことができます。
これは兄弟姉妹には先の”寄与分”の権利がないためです。
遺言がない場合には兄弟姉妹がしゃしゃり出てくることが、可能性がある場合は注意が必要です。

代襲相続とは

被相続人(死亡した人)より先に、その相続人である子あるいは兄弟姉妹が死亡している場合には、その子(被相続人の孫あるいは甥、姪)がそれぞれ権利を引き継ぎます。

これを代襲相続といいます。

例)祖父が亡くなる前にその子である父親が死亡している場合、父親の相続分はその子供である孫が引き継ぐことになります。

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相続開始に相続人が相続を放棄した場合は、代襲相続は発生しません。

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相続の承認と放棄について

相続の承認

◆ 単純承認
被相続人の財産上の権利義務を全部受け継ぐ方式です。
したがって、もし借金があれば合わせて引き継ぐ形になります。
なお、相続があったことを知った時から3ヶ月間何の手続きもしなければ単純承認したことになります。

◆ 限定承認
相続財産の範囲内で債務を相続する方式です。
したがって、債務が相続財産を超過している場合には相続人が債務を負担する必要はありません

この場合、相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に全相続人が共同して家庭裁判所に申述することが必要です。
3ヶ月を経過すると単純承認になりますので、被相続人に借金がある場合は注意が必要です。

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死亡した人に借金が会った時は注意が必要だよ!

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相続の放棄

相続人が相続を拒否することを相続の放棄といます。
この場合、財産も受けつかず債務も負担しません。
手続きとしては限定承認と同様相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述します。
限定承認と異なる点は、全相続人が共同で行う必要はなく、1人でも数人が共同でも申述することができます。

遺産の分割について

遺産分割の方法は次の3つの方法により決めます。
①遺言による分割
②相続人による協議による分割
③家庭裁判所による分割(遺言などがなく相続人もめた場合)

相続税の対象となる財産について

相続税の課税対象となる財産は現金・土地等の本来の財産の他に、みなし相続財産として死亡保険金や死亡退職金等も含まれます。

なお、死亡保険金や死亡退職金については受取人が相続人の場合、死亡保険金・死亡退職金それぞれ500万円×法定相続人の数までの金額が非課税となります。

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死亡保険金死亡退職金は、本来の相続財産とは別枠というのがポイントです!

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コラム:学習の最後に

以上で「60分で合格圏!読み流し生命保険一般課程試験直前対策」の全レッスンが終了しました。

試験を突破するコツは、最初のページでもお話ししたように苦手なところは潔く切り捨てて、計算問題など一度覚えれば済むことは取りこぼしなく、取れるところで合格点の70点を取ることが重要です。

無事に試験に突破して、あなたの生命保険募集人としての未来が明るくあることを心から願っています。

さて、ここからは少し余談です。

試験勉強をしてこれから保険の営業として頑張っていこうとしているあなたのやる気をそぐようで申し訳ないのですが、大切なことなので最後にもう一度触れておきたいと思っています。
保険の営業というのは、俗に形のないものを売ると言われて営業の中でも難易度の高いものと言われています。 一方で私たちの生活に欠かすことのできないものでもあるので、誰もが何かしらの保険を必要としているのは事実です。
ただ必要だからといって、あなたから買ってくれるということとイコールではありません。
保険という商品は、想像以上にお客様にとってはしがらみがあり、おいそれとあなたに切り替えてくれたり、あなたから新しい保険を入ってくれるということもそれほど容易ではありません。
やれ幼馴染だ、親の知り合い、兄貴の同級生、取引先、学生時代の先輩、転職して保険の営業を始めている同僚、 あなたがお客さんと見込んだ形の周りには保険の営業がたくさん存在しているのです。

あなたの営業としての能力とは別な部分で、あなたが成功するということは必ずしも保証されていません。

だからこそ知識を武器にこの厳しい荒波を乗り越えていかなくてはなりません。
生命保険の資格試験は、この一般課程試験を皮切りに上級試験が控えています。
ぜひあなたの大切な人にとって、唯一無二の保険営業として生き残れるようにあなたの今後の活躍を願ってやみません。
ご健闘を心よりお祈り申し上げます。

コメント

  1. アバター かるき より:

    とっても役に立ちました。
    是非、専門課程編もお願いします。

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